好古園(こうこえん)

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更新日:
 2021年4月26日




◎好古園(こうこえん)(2021年4月11日)
 好古園(こうこえん)は兵庫県姫路市の姫路公園(姫路城)内にある池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)の日本庭園です。正式名は「姫路城西御屋敷跡庭園 好古園」です。姫路城の発掘調査によって確認された西屋敷跡遺構を基にした約1万坪の敷地に、趣向が異なる9つの庭園群が造られています。
 日本庭園の形式の1つに「回遊式庭園(かいゆうしきていえん)」があります。これは、園内を回遊して鑑賞する庭園の形式です。園内を回遊する形式の庭園は日本以外にも存在していますが、「回遊式庭園」という言葉は、「日本庭園」の形式として使用されているようです。「回遊式庭園」は、室町時代の禅宗寺院から始まり、江戸時代の大名によって多く造営された形式です。
 一方、「池泉庭園(ちせんていえん)」とは、自然の景色を凝縮して創られる庭園の様式で、山があり、川があり、海がある庭です。池泉庭園には「水」という要素が取り入れられているのが特徴です。さらに池泉庭園は、庭園を鑑賞する方法によって、次の3種類に分類されます。
 @池泉舟遊式(ちせんしゅうゆうしき):池の中を舟遊びしながら鑑賞する方式
 A池泉鑑賞式(ちせんかんしょうしき):座敷に座って眺めて鑑賞する方式
 B池泉回遊式(ちせんかいゆうしき):順路を定めて歩きながら鑑賞する方式
 この中で最も一般的な形式は「池泉回遊式庭園」で、大きな池を中心に配し、その周囲に園路を巡らして、築山、池中に設けた小島、橋、名石などで各地の景勝などを再現します。園路の所々には、散策中の休憩所として、また、庭園を眺望する展望所として茶亭、東屋などが設けられることが多いです。
 姫路城の城主の居館は当初、天守台の下にある本丸で、「備前丸」と呼ばれていました。これは池田輝政の所領、備前国にちなんで呼ばれたようです。しかし備前丸は山上にあり、使いづらいことから、当時の城主、本多忠政は三の丸に「本城」と称する館を建てて住んだそうです。それ以降の城主は本城、あるいは中曲輪の市の橋門内の西屋敷に居住していたようです。「西屋敷」と呼ばれるように、「東屋敷」もあり、こちらは現在、「東御屋敷跡公園」として整備されています。
 西屋敷は、姫路藩3代藩主、榊原政岑(さかきばらまさみね)が新吉原、三浦屋の名妓で6代目の高尾太夫(たかおだゆう)を1800両とも2500両ともいわれる大金を使って落籍(身請け)し、住まわせていたと伝えられる屋敷です。榊原政岑は時の将軍、徳川吉宗が享保の改革(きょうほうのかいかく)で出した倹約令を無視して奇抜な服装で江戸城大手門を警備し、贅を尽くし、遊女遊びをしたため、蟄居(ちっきょ)を命じられ、最終的には榊原家は越後高田に転封となりました。高尾太夫は高田への転封に同行し、越後高田城に居住し、政岑没後は、江戸、榊原家下屋敷に移住しました。家督は息子の榊原政永に継承が認められ、高田藩では倹約に努め、新田の開発などに尽力しました。
 遺構として発掘されたのは姫路城下に建てられた西御屋敷や武家屋敷の跡、池、屋敷門、町筋の跡でした。これは、酒井家時代の「姫路侍屋敷図」に記されていたものとほぼ合致したそうです。姫路市は1989年(平成元年)に市制100周年を記念して、この西御屋敷跡地を整備することを計画し、京都大学の中村一教授に設計、監修を依頼しました。造園学者の中村一教授や、地元の若手造園家の協力によって庭園が設計され、1992年(平成4年)4月29日に「好古園」として開園しました。
 「好古園」という名称は、姫路藩の藩校、「好古堂」に因んで命名されました。江戸時代最後の姫路藩主であった酒井家は、前任地である上野国厩橋(群馬県前橋市)で1692年(元禄5年)に藩校「好古堂」を開校しました。1749年(寛延2年)に酒井忠恭が姫路藩に移封された時、藩校も姫路城内の大名町東南総社門内の元藩会所跡に移設されました。その後、好古堂は桜町大手門前南側を経て、1842年(天保13年)に酒井忠学が「好古堂」を大手門西側(現在の好古園の入ロ付近)に移転し、拡張しました。この「好古」を使用し、庭園であることから、「園」をつけて、「好古園」となりました。
 古地図で確認された屋敷割や通路の地割を活かした9つの大小庭園及びアプローチ樹林帯、広場で構成されています。姫路城を借景に、西屋敷跡に造られた「御屋敷の庭」、数寄屋造りの茶室「双樹庵」のある「茶の庭」、姫路城の眺めを取り入れた「流れの平庭」など、四季折々の景色を眺めることができるようになっています。茶室「双樹庵」は、裏千家家元、千宗室氏の設計、監修によって造られており、気軽に抹茶を味わうことができます。
 好古園入ロの扁額は、酒井藩校「好古堂」の督学であった松平惇典が後に開いた家塾の塾頭であった結城義聞の子息で、元東京大学教授、結城令聞氏によって書かれています。
 江戸の情緒を醸し出す渡り廊下、築地塀、長屋門などの佇まいは、テレビ時代劇「大岡越前」、「暴れん坊将軍」、「水戸黄門」、映画「るろうに剣心」、「TAJOMARU(たじょうまる)」など、時代劇のロケにも使われています。
 また、庭園を眺めながらお食事ができるレストラン活水軒もあります。









・好古園(こうこえん)
 住所:兵庫県姫路市本町68
 電話:079-289-4120
 営業時間:9時〜17時(入園は16時30分まで)
 定休日:12月29日、30日
 料金:大人:310円、小人(小・中学生、高校生):150円
 アクセス:JR、姫路駅から徒歩約15分