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更新日:
2019年4月26日
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◎大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)(2019年4月11日)
「大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)」は、徳島県西部、吉野川中流部にある約8kmにもなる溪谷です。「大崩壊・小崩壊」とも書きます。急流である吉野川が岩肌を侵食して作った自然の造形で、2億年の時間をかけて作られたともいわれています。大理石の彫刻がそそり立っているかのような独特の美しい景観を誇っています。
「歩危(ほき、ほけ)」という言葉は、「山腹や渓流に臨んだ断崖」を意味する古語だそうです。また「崩壊(ホケ)」とも書き、「奇岩や怪石の多い土地」を示しているそうです。この古語から、激しい断崖=大歩危、少し緩やかな断崖=小歩危、と命名されたようです。また、「大股(おおまた)で歩くと危険」なことから「大歩危」、「小股で歩いても危ない」から「小歩危」と名付けられたとする説もあるようです。いずれにしても谷の両岸が迫り、切り立った崖が続く場所です。
河床と河岸には、関東から九州まで日本列島を縦断して分布する三波川変成岩(さんばがわへんせいがん)を見ることができます。三波川変成岩は一般に「三波石(さんばせき)」と、徳島では「阿波の青石(あわのあおいし)」と呼ばれ、石材として有名です。三波川結晶片岩は中生代ジュラ紀から白亜紀にかけて海洋プレートが沈み込んだことによって大陸側に付加され、地下深くに押し込まれ、高い圧力のもとで再結晶したものです。大歩危付近の三波川変成岩はドーム状の背斜(はいしゃ)構造という褶曲(しゅうきょく)構造を示しています。大歩危の三波川変成岩は、海洋プレートの沈み込みによって付加された地層から構成されており、わが国の成り立ちを知る上で極めて重要とされています。
大歩危駅付近には観光遊覧船の船着き場があり、川船に乗って大歩危峡見物をすることができます。また、近年ではゴムボートで急流下りを楽しむラフティングも行われています。
大歩危の礫質片岩は含礫片岩として徳島県天然記念物に指定され、2014年(平成26年)3月18日には国の天然記念物に指定されました。また2015年(平成27年)10月7日には「大歩危」として国の名勝に指定され、2018年(平成30年)2月13日には小歩危が追加指定されたうえで「大歩危小歩危」の名称に変更されています。



・大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)
住所:徳島県三好市山城町重実〜上名
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