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更新日:
2019年4月26日
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◎うだつの町並み(2019年4月11日)
「うだつの町並み」とは、徳島県美馬市脇町大字脇町にある「脇町南町(わきまちみなみまち)」の通称です。脇城の城下町として藍と繭で栄えた町で、表通り約400mにわたって江戸中期〜昭和初期の85棟の伝統的建造物が建ち並び、当時の景観がそのまま残されています。この町並みの大きな特徴は、町家の両端に本瓦葺きで漆喰塗りの「うだつ」が多くみられることであり、このことから「うだつの町並み」という通称で親しまれています。
「うだつ」とは、「うだつの上がらない人だ」などと使われれる言葉で、漢字では「卯建」あるいは「宇立」と書かれ、日本家屋に見られる設備の名称です。関西発祥のものなので、関東以北の人は言葉は知っていても、目にしたことはないかもしれません。中世から近世にかけての町家の屋根は、多くが板葺きでした。強い風にあおられると、めくれあがってしまいます。これを防ぐため、茅などを束ねて屋根を押さえたのが、うだつの始まりだそうです。可燃性の材料を使っていたので、当初は防火機能はなかったと考えられます。
江戸時代に入ると壁が漆喰塗りになり、屋根は瓦になって、町家の防火性は高まりました。しかし軒裏部分は火が走りやすいため、袖壁を外に出して漆喰で固め、延焼を防ぐ「袖うだつ」が登場します。町屋は隣り合って連続して建てられていることが多かったので、この「袖うだつ」は、隣家との延焼防止を目的とした防火壁の役割を果たしていました。火事が多いのは冬ですから、袖うだつは冬に風が吹く側につければこと足ります。しかしそれではバランスが悪いので、厚みの違うものを両サイドにつけるようになりました。よく観察すると、風下側のうだつは薄く、風上側は火に耐えるよう厚く作られています。
さらに江戸時代中期頃になると、装飾的な意味合いが置かれるようになりました。このためうだつの壁面に細かい装飾を施したり、瓦を連ねて葺いて家紋入りの豪勢な鬼瓦を乗せたものが登場するようになりました。このようなうだつを設置するにはそれなりの費用がかかります。このため、ある程度裕福な家しかうだつを設けることができなかったことから、自家の富の象徴として立派な卯建を競い合うようになっていったようです。その結果、「うだつの上がっている家は成功している」というイメージが浸透し、「生活や地位が向上しない」ことや「状態が今ひとつよくない」ことを「うだつが上がらない」と表現するようになったようです。ちなみに「卯建」と書かれるのは、うだつ(張り出した小屋根付きの袖壁)の形が「卯」の字形に見えることからだそうです。
「うだつの町並み」は、1988年(昭和63年)12月16日に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。保存地区内には土産店やカフェ、資料館、伝統工芸の藍染体験ができる施設などがあり、歴史と文化を感じる町並みでのんびり過ごすことができるようになっています。

こんな穴あき看板があります。










・むしこ窓(虫籠窓)
2階の窓は、格子のようになっており、虫籠に似ていることから「むしこ窓」と呼ばれています。格子の部分は木や竹に縄を巻いて芯とし、練り土を塗り、漆喰で仕上げて堅牢にしています。内側の引き戸は木製で、外面に漆喰を施し、防火対策としています。盗難除け、部屋の明り取り、風通しを良くするなどの役目をしています。時代とともに装飾的な面も兼ねるようになったようです。


・吉田家住宅
脇町でも1、2を競った藍の豪商「吉田家」です。約600坪の敷地には江戸時代中期から後期にかけて建てられた母屋、質蔵、藍蔵など5棟が中庭を囲むように建っています。一般公開されており、建築様式の素晴らしさや当時の藍商の暮らしぶりを垣間見ることができます。



・うだつの町並み
住所:徳島県美馬市脇町大字脇町
駐車場:有
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