メニュー
TOPページ
観光地
地域情報
日本のホテル
日本のニュース
日本について
海外事情
海外のホテル
食品の話
雑学
用語辞典
リンク
更新日:
2018年11月25日
|
◎善通寺(ぜんつうじ)(2017年11月5日)
「善通寺(ぜんつうじ)」は、香川県善通寺市にある寺院です。真言宗善通寺派の総本山で、「屏風浦五岳山誕生院善通寺」と号します。山号の「五岳山」は、寺の西にそびえる香色山(こうしきざん)、筆ノ山(ふでのやま)、我拝師山(がはいしさん)、中山(なかやま)、火上山(ひあげやま)の五岳に由来します。これらの山々が、あたかも屏風のように連なることから、この地はかつて「屏風浦」と称されたそうです。ここから「屏風浦五岳山」と名付けられました。「誕生院」の院号は、弘法大師、空海(お大師さま)御誕生の地であることから名付けられています。本尊は薬師如来で四国八十八箇所霊場の第七十五番、真言宗十八本山一番札所になっています。和歌山県の高野山の金剛峯寺、京都府の東寺と共に弘法大師三大霊場に数えられています。
善通寺の創建は「多度郡屏風浦善通寺之記」(江戸時代中期成立)によると、空海の父で地元の豪族であった佐伯田公(さえきのたぎみ、諱:善通(よしみち))が、唐から帰朝した空海に土地を寄進し、大同2年(807年)臘月(陰暦12月)朔日に斧始めを行い、弘仁4年(813年)6月15日に落慶したとされています。空海の入唐中の師であった恵果が住んでいた長安の青龍寺を模して建立したといわれ、創建当初は金堂、大塔、講堂など15の堂宇があったそうです。寺号の「善通」は、空海の父の諱「善通(よしみち)」をとって「善通寺」と号したと記されているそうです。
鎌倉時代に佐伯家の邸宅跡に「誕生院」が建立され、江戸時代までは善通寺と誕生院のそれぞれに住職をおく別々のお寺でしたが、明治時代に「善通寺」として1つのお寺になりました。このため総面積約45,000平方メートルに及ぶ広大な境内は、「伽藍」と称される東院と、「誕生院」と称される西院の東西二院に分かれています。金堂、五重塔などが建ち並ぶ「伽藍」は、創建時以来の寺域です。善通寺五重塔は、総高43mに及ぶ欅造の大塔です。「誕生院」にある御影堂の床下には、全く光のない中を歩いて弘法大師誕生の聖地をお詣りする戒壇めぐりがあります。

・南大門(みなみだいもん)
東院(伽藍)の南に位置する善通寺の正門です。現在の建物は日露戦争戦勝を記念して1908年(明治41年)に再建されたもので、国登録文化財です。
高麗門と呼ばれる形式で造られており、高さは9.7mです。正面上方には善通寺の山号である「五岳山」の扁額が掲げられています。意匠の細部に目をやると、てっぺんの棟積の水板部分には、龍・迦陵頻伽(かりょうびんか)・鳳凰が立体的にあらわされ、四隅の軒先には四天王像(南東:持国天、南西:増長天、北西:広目天、北東:多聞天)が鎮座します。


・五重塔
基壇から相輪までの高さが約43mの五重塔は、国内の木造塔として3番目の高さです。創建以来、いくたびかの倒壊、焼失により再建を繰り返し、現在の五重塔は1902年(明治35年)に完成した4代目です。
塔の中には、密教思想の中心的存在である五智如来(五仏)が安置されています。そのうち4体は1階の壇上、心柱を囲むように安置されています。東は白象にのる阿閦(あしゅく)如来、南は馬にのる宝生(ほうしょう)如来、西は孔雀にのる阿弥陀如来、北は金翅鳥(迦楼羅)にのる不空成就(ふくうじょうじゅ)如来です。そして、五智如来の中尊大日如来(非公開)は5階の厨子内に安置されています。
この五重塔には、一般的な木造多層塔とは異なる2つの特徴があります。1つは五層、全ての階の天井が高く造られ、人が立って歩けるようになっている点です。こうした構造は珍しく、以前は5階まで上がって眺望を楽しめたそうです。
もう1つの特徴は、「懸垂工法」です。塔の中心には心柱が通っています。心柱は塔全体を支える重要な部材のはずですが、善通寺の五重塔の心柱は、地面(基礎の礎石)から浮いています。心柱は5層目屋根裏で鎖を使って吊り下げられ、それ以外の周りの部材とは構造的につながっていません。この心柱の構造上の役割は未だ解明されていません。




・大楠
弘法大師が生まれた時から繁茂していたと言われ、樹齢千数百年と言われる楠です。地上1.5mのところで幹囲11mになり、枝葉は東西24m、南北29mに広がっており、樹高は30mに達するそうです。


・鐘楼


・佐伯祖廟(さえきそびょう)
弘法大師の父、佐伯善通卿「佐伯明神」と母、玉寄御前「玉寄明神」をお祀りしています。もとは、香色山のふもとにあった小高い丘(現駐車場)の上に「佐伯八幡宮」としてお祀りされていました。

・中門



・金堂(こんどう、国重要文化財)
善通寺の本堂である金堂は、伽藍(東院)の中央に位置します。創建期の建物は永禄元年(1558年)の兵火によって焼失してしまいました。現在の金堂は、元禄12年(1699年)に再建されたものです。棟梁は竹内甚左衛門盛貞です。一重裳階付入母屋造の本瓦葺で、床は土間に平瓦を敷き詰めています。正面と両側面には火灯窓(花頭窓)が配され、その上部には四面すべてに「ゆらぎ」の連子欄間が施されています。床の構造も含めこれらの意匠上の特徴は、禅宗様という建築様式にもとづくものです。装飾は極めて簡素ですが、かえって本尊の偉容を引き立てています。
金堂内の中央須弥壇上に座すのが、善通寺の本尊・薬師如来坐像です。御室大仏師・北川運長の製作で、像高は3mで元禄13年(1700年)に完成しました。ヒノキ材による寄木造で、表面は漆地に金箔を押しています。また、眼には水晶を嵌め込んで生気に満ちた表情をつくりだしています。




・釈迦堂
仏教の開祖である釈迦如来と十大弟子を安置しています。現在の建物は江戸時代、延宝年間(1673年~1680年)の建立で、もとは西院(誕生院)の御影堂でした。天保2年(1831年)の御影堂新築にあたり、現在の場所へ移転されました。




・天神社



・赤門
東門が本来の名称ですが、その朱色の塗装から「赤門」と呼ばれています。この門からつづく赤門筋商店街は、かつては丸亀・多度津方面からの参拝者でにぎわいました。

・善通寺(ぜんつうじ)
住所:香川県善通寺市善通寺町 3-3-1
電話:0877-62-0111
営業時間:7:00~17:00
定休日:無
アクセス:高松自動車道、善通寺インタ-より車で約10分
|