智恩寺(ちおんじ)(文殊堂)

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更新日:
 2021年6月6日




◎智恩寺(ちおんじ)(文殊堂)(2021年4月11日)
 智恩寺(ちおんじ)は天橋立の南側、京都府宮津市にある臨済宗、妙心寺派の寺院です。「切戸の文殊」、「九世戸(くせど)の文殊」、「知恵の文殊」とも呼ばれているそうです。奈良県桜井市の安倍文殊院(安倍文殊)、山形県高畠町の大聖寺(亀岡文殊)とともに「日本三文殊」の1つとされています。「三人寄れば文殊の知恵」という諺がありますが、「文殊」とは「文殊菩薩」のことで、文殊菩薩は知恵を授ける神様とされています。銅板葺き屋根の本堂である文殊堂には御本尊の文殊菩薩が祀られていますが、秘仏とされ正月三が日、1月10日、7月24日の年5日しか開帳されません。
 808年(大同3年)、平城天皇の勅願寺として創建されたそうです。延喜年間(10世紀初頭)には、醍醐天皇から勅額を下賜されたそうですが、以後、中世までの歴史は判然としないようです。当初は密教(真言宗)の寺院で、禅宗の寺院になったのは南北朝時代以降だそうです。
 現存する多宝塔は室町時代のもので、雪舟による「天橋立図」(国宝)には智恩寺も描かれており、この多宝塔のほかに、裳階(もこし)付で宝形造と思われる建物が描かれています。現在の文殊堂は裳階(もこし)付ではなく、宮津藩主、京極高国によって1655年(明暦元年)から始められた修理によって作られたものだそうです。屋根はわずかに照り起(むく)りを帯びた宝形造で、正面に三間の向拝を葺き降ろしています。現在は銅版葺ですが、宝珠の銘文から1657年(明暦3年)に屋根の葺き替えが行われたことが分かっており、それ以前は檜皮葺であったと考えられています。
 茶屋通りに面している山門は「黄金閣」と呼ばれ、丹後地方で最大の山門です。楼上には釈迦如来を中央に、両脇士、十六羅漢を安置する禅宗様式、三間三戸二重門の山門で、宮津市の指定文化財に登録されています。



・山門
 足掛け7年に及ぶ工事を経て、1767年(明和4年)9月に上棟されました。この再建の際、後桜町天皇から黄金を下賜されたことから「黄金閣」と呼ばれています。三間三戸の二重門で、上層には釈迦如来や十六羅漢を安置しています。下層の柱間に建具は無く、開放的です。細部に至るまで本格的な唐様(禅宗様)になる山門です。







・多宝塔
 円形の塔身の上重に相輪をあげ、下重には方形の裳階(もこし)を付けた形式の塔婆を多宝塔といいます。丹後国守護代で府中城主、延永修理進春信によって室町時代に建立されました。1500年(明応9年)3月に釿(ちょうな)初めが行われ、翌1501年(明応10年)4月に落成したことが、上重連子(れんじ)窓の裏板や、来迎壁の背面、上重の柱(八角形)に記された墨書きによって明らかになっています。
 下重には来迎柱が立ち、前方に須弥壇をつくって中央に大日如来が安置されています。籠神社別当大聖院の智海が、来迎壁の背面に片足を上げた不動明王を描いており、「八十余歳書之 智海」の署名があるそうです。



・文殊堂
 向拝(ごはい)以外の柱はすべて円柱で、前面から側面にかけて擬宝珠高欄付の落縁を巡らしています。前寄り二間通りの外陣(げじん)は柱を省略した広い空間として、周囲を吹き放して多数の参拝者を迎えています。正面中央の二本の柱の木鼻の唐獅子は、それぞれ少し外側に顔を向けています。
 桁行三間の身舎(もや)を内陣とし、三方の庇(入側)は吹き放しの化粧屋根裏としています。内陣は天井が折上小組格(おりあげこぐみごう)天井という丁寧な造りになっています。中央に四天柱を立て、来迎壁をつくって唐様須弥壇(しゅみだん)を設けています。



・鐘楼門(暁雲閣)
 2人の子女を相次いで亡くした宮津の商家、木村正英によって、1722年(享保7年)に建立されました。その菩提を弔うべく、2人の法名「暁山彗察」、「洞雲自照」から1字ずつを取って「暁雲閣」と呼ばれています。
 下層の両側に亀腹が付いた竜宮門形式になり、寄棟造、桟瓦葺の屋根は軽く起(むく)りを帯びています。上層には、再建の経緯を記した銘額「暁雲閣記」が揚げられています。



・鐘楼
 1881年(明治14年)に建立されました。東西、南北ともに3.6mで、本堂東側の暁雲閣に天文年間鋳造の梵鐘が吊在してありましたが、嘉永年間に大口径の物に改鋳し、現所に移転されました。なお、現在の梵鐘は1973年(昭和48年)に再改鋳されたものです。



・無相堂



・石造宝篋印塔



・智恩寺(ちおんじ)(文殊堂)
 住所:京都府宮津市字文珠466
 電話:0772-22-2553
 定休日:無
 アクセス:京都丹後鉄道、天橋立駅から徒歩約5分